熟練のサヴォアフェール
アトリエと熟練職人たち
Balmainは、メゾンのクチュールヘリテージやパリならではのサヴォアフェールに対する深い敬意を持ち合わせながら、変革や進化に対するコミットメントを行っている点で、他と一線を画しています。

素晴らしいヘリテージから受けている強力な恩恵やパリが誇る唯一無二のサヴォアフェールに頼りつつ、現代的な展望を維持しているわけです。そして、その成果がコレクション一つ一つに表れている美しいディテールや素晴らしいクラフツマンシップであると言えます。
1 / 4
パーフェクトな装飾
ピエール・バルマンは自身のメゾンを創業する前、パリにおけるクチュールメゾンの一つで働き、20世紀前半に活躍したルシアン・ルロンやエドワード・モリニューといったファッションデザイナーのもとで研鑽を積みました。彼らはバルマンに対して、優れたデザインや精緻なテーラリングに対する深い敬意や、細部へのこだわりを実現するために最高の職人たちと常に密接に協力することの重要性を教えたのです。
FABERGE(ファベルジェ) コレクション - 2012年2月
このコレクションの着想源となったのは、リチャード・バートンがエリザベス・テイラーに贈った華やかな装飾の「ファベルジェの卵」です。オリヴィエ・ルスタンがクリエイティブデザイナーに就任後2番目のコレクションは、メゾンの職人たちの熟練技術に非常に大きな恩恵を受けて完成しました。彼らはクリスタルやパール、金糸を巧みに編み込み、唯一無二の繊細なパターンやフローラル模様を作り出したのです。ルスタンのランウェイでは、Balmainのパリのアトリエが「ファベルジェの卵」の芸術性を服飾に変換するのに最も適した“ツール”であることが照明されました。
1 / 4
1 / 5
コードの破壊 - 2020年2月
こちらのコレクションにおいて、オリヴィエ・ルスタンはかつて手の届かなかった上流階級の世界のコードを巧みに覆しました。排除の象徴であったものを変化させ、ひねりを加え、閉鎖性を取り払ったインクルーシブな世界の美しさに焦点が当たるようにしたのです。その目的を実現するため、ルスタンは古典的なスタイルやパターンを現代的にアレンジしました。例えば、クラシックなシルクスカーフのモチーフを、Balmainアトリエの優れた刺繍技術によって3Dに変換したのです。
BALMAIN 2023年 プレフォール
こちらのコレクションで、オリヴィエ・ルスタンと彼のチームは60年代から70年代に見られた創業者ピエール・バルマンの力強いデザインに着想を得ました。特に、ピエール・バルマンの愛したブローチやリボン、刺繍などのディテールを強調し、デザインの主役として用いているアイテムもあります。ここでもBalmainアトリエの熟練した技術が随所にはっきりと表れています。








1 / 6
Balmain 2023年 RESORTコレクション
エジプトをテーマとした2度目のコレクションでファラオの時代に再び思いを馳せます。オリヴィエ・ルスタンはBalmainの職人たちの見事な熟練技術を駆使し、なめらかでセンシュアルなラインや完璧なテーラリング、編み込みやプリーツ、ドレープデザインを完成させました。コントラストの効いたエジプトブルーや光沢を放つゴールド、コガネムシ調のイリディセントな色彩、アニマルパターンやスネーク、羽毛を用いた豊かな装飾がアイテムを見事に引き立てています。
巧みな編み込み技術
マイアミへの旅から戻ったオリヴィエ・ルスタンはラテンをテーマにした2013年スプリングコレクションの製作を開始しました。キューバ文化に着想を得た、タイルの床をイメージした白黒のパレットをベースとして取り入れています。また、Balmainの職人たちの手により、カリブ海に伝わる藤椅子のバロックモチーフを思わせる驚くほど複雑な模様をバスケット織ラフィアを用いて表現することに成功したのです。
1 / 6
1 / 7
天然素材による造形美
キューバに着想を得たコレクションから10年を経て、オリヴィエ・ルスタンは2023年スプリングコレクションで再びラフィア織りの美しさに焦点を当てました。しかし今回は、Balmainのアトリエにまったく異なる方法で繊維を扱うように指示したのです。ルスタンと職人たちは、天然のラフィアやジュート、小枝をふんだんに使い、造形的なピースを作り上げました。メゾンでも傑出した職人が手作業で縫製、組立、成形のすべてを担当し、素晴らしい曲線を描く立体的なデザインが実現しました。
驚くべきグリーンクチュール
2023年スプリングコレクションは、存在感を放つエコフレンドリーなピースを作るべく、木の伐採をせずに、アトリエの担当チームが森で樹皮や枝、小枝などの材料を調達しました。それらは職人たちの手によって、唯一無二のビスチェやドレスに生まれ変わりました。一度見たら忘れられないバスケット織りは、草原や沼地、森から収穫したものを色別に分類し、水で柔らかくしてから、メゾンのモデルの上に直接織り上げて形作られています。
1 / 13






生地の扱いが天才的だったピエール・バルマン
ピエール・バルマンの手によって巧みに生み出されたドレープやプリーツは、彼の伝説的な「ニューフレンチスタイル」の重要な要素でした。そして、その立体的なデザインには建築的な要素がはっきりと見て取れます。Balmainには、過去のデザインやスケッチ画、ファッション誌の切り抜きなど膨大なアーカイブが存在します。オリヴィエ・ルスタンや彼のチームは、創業者が遺した素晴らしい生地の扱い方のレシピから常にインスピレーションを得ているのです。
先進的ファブリックへの精通
近年の作品を見れば見るほど、Balmainアトリエの熟練した技術に感動するでしょう。オリヴィエ・ルスタンのコレクションそれぞれに、数々の素晴らしい職人技を見ることができます。ルスタンのクチュールやプレタポルテデザインを際立たせる実に見事で現代的なプリーツがその一例です。
1 / 8
1 / 10
織物、レース、ノット
オリヴィエ・ルスタンは、伝統的なパリ・クチュールに見られる繊細な織物や綿密なコルセットレースへのこだわりを、全く新しい、非常に現代的なレベルまで昇華させました。Balmainらしいセンシュアルなシルエットを生み出すため、ルスタンがアトリエのチームに度々指示しているのは、さまざまなラグジュアリーファブリックに、織り、編み、結び、レースの技術を組み合わせることです。
造形美と癒しの気持ち
Balmainの2022年スプリングコレクションはおそらく最もオリヴィエ・ルスタンの個人的な思いが込められています。オリヴィエ・ルスタンが事故で怪我をして回復に努めていた1年間、彼は自身のコレクションに包帯やガーゼといったリハビリや再出発を彷彿とさせるデザインを取り入れていました。Balmainの職人たちはそれらのテーマをどのようにランウェイに表現するか共に考えました。そして卓越した織りの技術やシャーリング、キルティングのテクニックをバンドや織模様、ストラップといったコレクションのデザインに落とし込んだのです。






1 / 4
組み紐とマクラメ
ビヨンセとオリヴィエ・ルスタンがコラボレーションして生まれたRenaissance クチュールコレクションには繊細なマクラメや見事な編み込み模様が取り入れられています。才能あるアーティストや職人のチームでも幾日もかかったほどの複雑なデザインです。
レザーモールド
Balmainの2020年フォールコレクションのランウェイに登場した大胆なファーストルックは、その目を見張るようなレザーモールドによって、メゾンの職人たちの高い技術を証明していました。そのオープニング アンサンブルがアメリカ人女優ゼンディアの目に留まり、彼女はオリヴィエ・ルスタンにレザーモールド技術をベースとした唯一無二のドレスを注文したのです。2021年ヴェネツィア映画祭のレッドカーペットで、ゼンディアはそのスリップドレスで登場し、注目を浴びました。

1 / 4
忘れることのできないレッドカーペットの瞬間
ゼンディアのドレスをつくるため、オリヴィエ・ルスタンとBalmainの職人たちは、数々の工程を経て、数週間を掛けて作業を行いました。まず最初にロサンゼルスのゼンディアに直接会いに行き、石膏型を作成。その石膏型に天然皮革を合わせて成形後、キャメルカラーのラムスキンドレープで覆いました。最後に、クチュールスカートを特別に仕立て、ビスチェと接合して一枚のドレスに仕上げました。すべての要素を完璧にクリアするため、カリフォルニアやベネツィアで何度もフィッティングを行いました。
BALMAINアトリエから
ゼンディアがベネツィア映画祭のレッドカーペットに登場する瞬間のため、職人たちと共に製作した特注ドレスにはオリヴィエ・ルスタン自ら最終仕上げを行いました。





メタリックマスター
オリヴィエ・ルスタンは単に貴金属の装飾に頼るのではなく、Balmainの職人たちと緊密に連携してランウェイでいかにきらめきを放つかを念頭にデザインを考えています。
華やかな羽飾り
ビヨンセとオリヴィエ・ルスタンがコラボレーションして生まれたRenaissanceクチュールコレクションでは、パリの最も才能ある職人の力を借りた華やかな羽飾りのデザインが取り入れられました。
1 / 4
1 / 5
伝統的クチュールと大胆で意外性のあるツイスト
Renaissanceコレクションには驚きがたくさん詰まっています。ビヨンセとオリヴィエ・ルスタンは、クチュールの境界を押し広げることを念頭に、ビヨンセのアルバムである『Renaissance』の大胆なスピリットを反映する、意外性のある素材や加工技術を盛り込みました。
時代を超越して
関連記事
