鮮やかなカラー
メゾンのコード
すべてはコンテクストの問題。オリヴィエ・ルスタンといえば、グラフィックなブラック&ホワイトや力強いパステルカラー、そしてもちろん、Balmainらしい贅沢なゴールドと深みのあるブラックの組み合わせが有名ですが、ときには、ビビッドカラーも好んで取り入れています。その場合、人目を引く明るいトーンやポップな蛍光色を引き立てる完璧な背景をつねに作り出す秘訣をルスタンは知っているのです。それが、ほとんどのBalmain ランウェイで、ルスタンが選択した極めて鮮やかなカラーが、ホワイトやブラック、あるいは、なめらかなグレートーンと組み合わせられている理由なのです。

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BALMAIN 2021年春
新型コロナウイルスのロックダウン中、子供の頃に大好きだった作品を一気見して幾晩も過ごしたことを思えば、このノンストップのストリーミングを通して、80年代、90年代の多くの人気ドラマのルックを作り出していた明るいトーン、シャープなテーラリング、驚くべきグラフィックモチーフのパワーにオリヴィエ・ルスタンが再び注目しても、何の驚きもありません。『ベルエアのフレッシュ・プリンス』や『特捜刑事マイアミ・バイス』の象徴的なスタイルにインスピレーションを得たルスタンは、多くのデザインに明るく楽観的な独自の解釈をもたらしました。

パンデミックの最も暗い時期に、多くの明るい色調を取り入れた2021年春コレクションは、Balmainの傑出した歴史を反映しています。楽観主義と大胆さは、メゾンのDNAを構成する柱。75年前、ピエール・バルマンが極めて大胆な賭けに出たことは決して忘れられません。戦争、占領、苦難の年月を経て、フランス解放直後の物資不足、停電、不安に悩む不安定な時期に、自身のメゾンを設立することに着手しました。若く、大胆で、これからもっと良い時代が来ると確信していのです。

BALMAIN 2020年 プレフォール
本コレクションの多くのジュエリートーンが参考としているのは、80年代を象徴する過剰さと、オリヴィエ・ルスタンが敬愛する60年代後半から70年代前半の反骨精神。ピエール・バルマンがバルドー、フォンダ、ローレンなど当時の一流映画スターたちの美しい装いを手掛けていた時代です。
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BALMAIN 2020年秋
初期の宇宙飛行士や先駆的なパイロットを象徴するスタイルにもインスピレーションを得た本コレクションの制作で、オリヴィエ・ルスタンが心に決めていたのは、カーキのロングコートやきらめくシルバーの耐Gジャンプスーツにパワフルな蛍光色やビビッドなトーンをミックスすることでした。
BALMAIN 2020年春
ポップで鮮やかな色彩と力強いグラフィックにインスピレーションをもたらしたのは、ビヨンセ、ブリトニー、クリスティーナ、J. Loが繰り出す、いつまでも聴いていたくなるメロディー。オリヴィエ・ルスタンの記憶に残る、90年代、彼がティーンエージャーだった頃、つねに流れていた曲の数々です。








ピエール・バルマンは素晴らしい遺産を残しました。そして、メゾンの豊かなアーカイブには彼のカラフルな作品があふれています。オリヴィエ・ルスタンがよく参考にしているのは、ミッドセンチュリー期のパリ クチュールが誇る正確なテーラリングやエレガントな流線型に、鮮やかな色彩を巧みに組み合わせるムッシュ バルマンの見事な技なのです。











ウィメンズ ランウェイ
BALMAIN 2023年秋
