ピエール・バルマンの遺産
BALMAIN 2023年秋
「私たちがどこから来たのかを称えることで、どこに向かっているのかがはっきりと見えてきます。」この言葉は、Balmain DNAの公式な定義であり、またBalmainの豊かなデザイン史を継承・発展させる重要性に対するオリヴィエ・ルスタンの考えを見事に言い表しています。そして、メゾンの2023年秋コレクションのランウェイほど明確にルスタンがBalmain独自の遺産に捧げたコレクションはないでしょう。

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絶えずインスピレーションをもたらす傑出した遺産
「極めて大胆でモダンなデザインでも、確固たる土台を持つことでより力強くなると理解しています。どのコレクションも、これまでBalmain ランウェイに送り出したもっともモダンで大胆なコレクションであっても、つねに何らかの形でメゾンの素晴らしいアーカイブからインスピレーションを得ています。」
オリヴィエ・ルスタン

「眠れる巨人」時代の終焉
「メゾンのウィメンズ&メンズコレクションには、Balmainが誇る唯一無二の遺産がしっかりと落とし込まれていることから、メゾンはもはや宝の山で『眠れる巨人』から脱したと言い切ることができるでしょう。 」
オリヴィエ・ルスタン


魅惑的なクラシックが再登場
数十年前にデザインされたとはいえ、ムッシュ バルマンのグラフィックの発想から生まれたシンボルすべてが現在でも新鮮であり魅力的です。70年代の幻想的なモチーフである「ラビリンス」は、ピエール・バルマンが生涯にわたって魅了された、フランス屈指の美しいルネサンス式庭園にある入り組んだ迷路の魅惑の世界を反映しています。1980年、バルマンはこの魅惑的なモチーフの次世代デザインを発表しました。広がる迷宮と隣接した宮殿にやや焦点が移されたのです。ヴェルサイユ宮殿やロワール渓谷の城の通路に敷き詰められた大理石のチェックパターンに着想を得た荘厳なデザインは、現在、姿を刷新して再登場し、2023年秋のオリヴィエ・ルスタンのシルエットの数々に広がります。





「プチポワ(水玉模様)」
本コレクションでは、ピエール・バルマンが愛したフランスの伝統的モチーフのひとつである「プチポワ(水玉模様)」にルスタンとチームが新たな解釈をもたらしました。メゾン創設者は、毎シーズン、水玉模様を巧みにエレガントに表現し、あらゆるサイズや構成を用い、さまざまなファブリックや技術、装飾を駆使してきました。そして、ルスタンは明らかにこの伝統を継承しようとしています。
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リボンをあしらって
大きさや配置に工夫を凝らした、エレガントでありながらも大胆なリボンをピエール・バルマンが愛用したことは有名であり、ルスタンのランウェイで傑出して力強い作品にインスピレーションを与えています。

パール
2023年秋コレクションでは、ピエール・バルマンお気に入りの豪華なディテールのひとつである、完璧な刺繍をあしらったパールのオーナメントの表現の可能性をオリヴィエ・ルスタンは確実に広げました。
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建築を思わせるフレア
ピエール・バルマンが発表したニューフレンチスタイルの特徴である、厳格なテーラリング、絞ったウエスト、力強いショルダー、完璧なプリーツ、緻密に作り出されたボリュームはすべて、彼が若い頃に学んだ建築にさかのぼることができます。アーカイブのBalmain独特のシルエットのスケッチは、初期のコレクションのもので、ルスタンの2023年秋のランウェイに登場した傑出して力強いアンサンブルの多くにインスピレーションをもたらしました。

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厳格な基準
「遺産や伝統とは、単に昔のスケッチやビデオ、作品からインスピレーションを得るという意味ではありません。それは極めて高い基準を必然的に伴い、そこに達するために最善を尽くさなければならないと全員が感じています。Balmainは、もちろん、傑出したオートクチュール メゾンとして始まりました。比類のないテーラリング、驚くべきドレスメイキング技能、最高の訓練を受けた職人による丹念な仕上げなど、つねに厳格な工程によって、パリのクチュールメゾンに求められる唯一無二の作品を創造してきました。」
オリヴィエ・ルスタン

最高のコレクションのための仕上げ
ピルボックス帽でも、ターバンでも、ベレーでも、クローシュでも、ボーターハットでも、カートホイールハットでも、建築家であるムッシュ バルマンは、完璧な構造を備えた作品に有終の美を飾るべく、エレガンスを極めたクチュールの趣きを添えることを好んでいました。今回のランウェイに、メゾン創設者が掲げたニューフレンチスタイルを斬新に解釈したデザインを詰め込んだルスタンは、重要な最後の仕上げは軽視できないことを理解していたのです。
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ウィメンズ ランウェイ
BALMAIN 2023年秋
